紅の葬送曲
「……いるとしたら……」
ふと、その場にいる全員の視線が私に向けられる。
「わ、私は違います!」
紅斗の仲間で私が疑われるのは多分、私が切碕の娘で紅斗の妹だから。
でも、彼は──。
「浅井じゃない。俺が保証する」
寿永隊長はそう即答した。
彼が保証すると言ってしまえば、納得せざるおえない程彼の言葉には影響力がある。
だから、四人も納得せざるおえないなかった。
「でも、どうやって翔鷹に入ったの?」
「誰かが手引きしたとかか?」
神原さんと楠さんの言葉に、
「それはないでしょ。翔鷹のセキュリティは簡単に突破出来るものじゃない。幽霊とかだったら出来そうだけどね」
芦葉さんがやっぱり明後日の方向をじっと見ながら答える。
幽霊って……、やっぱり芦葉さんって見える人?