紅の葬送曲
「お。どうした、紅緒。そんなところで項垂れて」
ふと、背後から懐かしい声がした。
「琉ちゃんー!」
振り向き様に抱き着いたのは一つ年上の幼なじみ、司馬琉介(シバ リュウスケ)だった。
琉ちゃんは三年前に警察になった白バイ隊員。
そんな琉ちゃんの隣には同じく白バイ隊員の人がいた。
「おっとと……。何だ、半べそかいて」
今も外から戻ってきたらしく、私が仕出かしたことを知らないらしい。
琉ちゃんは私が急に抱き着いたせいで少しよろけ、体勢を整えると半べそかいている私の頭を撫でた。
「おー、この子が司馬先輩が言ってた幼なじみスか!?俺、超タイプなんスけど!」
「清瀬、お前は黙ってろ」
琉ちゃんの隣にいる人は琉ちゃんの後輩で、清瀬さんというらしい。