紅の葬送曲


それはきっと小鳥遊さんも望んでいたことだと思う。




だけど、彼女が死なないといけない理由になっていない。




何が悪かったんだろう。




何で彼女が死なないといけなかったんだろう。




何で私は何も出来ないんだろう。





何で私は強くなれないんだろう。




何で私は……。




──心臓がうるさいくらいに跳ねている。




私は強くなりたいと決めたのに、何でまだ弱い?





泣かないと決めたのに、まだ泣こうとしている。




──ああ、私は変われないんだ。




そう思った時、私の意識は急に暗転した。






< 295 / 541 >

この作品をシェア

pagetop