紅の葬送曲
《凌side》
さっき見てきた女の遺体、あれは菖だ。
江も気付いていて何も言わなかった。
多分あいつは殺されたんじゃない、舌を噛み切って自ら命を絶ったんだ。
あいつは叔父である天河さんを誇りに思っていたし、その分切碕とその仲間を憎んでいた。
そんな奴らに殺されるくらいなら……と思ったんだろう。
でも、菖は殺されたんだ。
こいつらと俺に──。
「よくも姉さんを……」
菖に化けて侵入していた女の腕を江が涙を浮かべながら押さえつけている。
このまま押さえつけさせれば、江は多分女の腕を折るだろう。
さっき見てきた女の遺体、あれは菖だ。
江も気付いていて何も言わなかった。
多分あいつは殺されたんじゃない、舌を噛み切って自ら命を絶ったんだ。
あいつは叔父である天河さんを誇りに思っていたし、その分切碕とその仲間を憎んでいた。
そんな奴らに殺されるくらいなら……と思ったんだろう。
でも、菖は殺されたんだ。
こいつらと俺に──。
「よくも姉さんを……」
菖に化けて侵入していた女の腕を江が涙を浮かべながら押さえつけている。
このまま押さえつけさせれば、江は多分女の腕を折るだろう。