紅の葬送曲


すると、紅斗は上着のポケットから一本のUSBメモリーを取り出した。




そして、寿永隊長に差し出す。




「何だ、これは?」





「……小鳥遊菖の調べていたことだよ。僕達は彼女に託されて、彼女の代わりに君に届けに来た」




「「!?」」




小鳥遊さんが調べていたことって琉ちゃんのことだよね?





何でそれを紅斗が知っていて、代わりに届けに来るの?




それじゃあ、まるで……。





「……お前達の目的は何だ?」





寿永隊長は紅斗を睨み付ける。





それじゃあ、まるで紅斗が私達の味方といっているようだ──。





「俺達の目的はそれに記されてる。見た方が早い」





ずっと黙っていた琉ちゃんがようやく口を開いた。




見た方が早いのは分かるけど、本当に小鳥遊さんが調べていたことがデータとして入っているのだろうか?




琉ちゃんは信じたいけど、紅斗と一緒にいるから信じられない。





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