紅の葬送曲
Ⅳ
数日後。
紅斗と琉ちゃんの処遇が決定された。
翔鷹幹部の会議で話し合われ、それは意外というか当然といった決定だった。
「紅斗、司馬琉介。お前達二人は俺の監視下にいてもらう」
寿永隊長は拘置所から執務室に連れて来させた紅斗と琉ちゃんにそう告げた。
「それは僕達を信じ、翔鷹に招き入れるって取って良いのかな?」
紅斗はその結果が予想通りだったのか、ニヤリと笑った。
会議の中では紅斗の危険性を訴える意見が多く、大半の幹部は紅斗を地下に拘束することを望んだ。
でも、寿永隊長は小鳥遊さんの遺した調査結果を会議に提出し、紅斗の危険性を否定した。
そして、その調査結果を踏まえて今までの殺人は紅斗の仕業ではないことが再調査で明らかになった。
真犯人は浅井秀人改め安倍明晴であることも伝えられ、紅斗は無実となった。