紅の葬送曲
翔鷹──。
今から約20年前に設立されたこの国で最も最強と言われる組織。
元々国が秘密裏に行っていた人体実験が公になったことで起きた暴動を鎮めるために作られ、当初はその実験で産み出された人間が所属していた。
その人体実験も20年経った今では行われておらず、数年前から警察学校時代に希望者を募り、特別訓練を受けた者だけがハイレルことになった。
が、その特別訓練も国家最強と言われるだけであって過酷なもので、希望者の大半が途中でリタイアする。
年々希望者は増えるものの、リタイアする者が多いせいで翔鷹は常に人手不足と言われていた。
今でも暴動が度々起きるため各地方の主要都市に翔鷹の支部があり、最低でも20人は配属されている。
それなのにも関わらず、最も暴動が多い地域にあり、翔鷹本部である此処には諜報員も含めて10人しかいない。