紅の葬送曲


もう人が死ぬのは嫌だ。




もう誰かに失うのは嫌だ。




私が全ての元凶だというのなら私は……。





「……人には生まれ持った天命がある。それは自分には分からない。神様がいるなら神様しか知らないことだからな」




ふと、後ろから寿永隊長の呟きが聞こえた。





「殺されても寿命でもそこで死ねば、それは天命だ。お前と出会っていても出会っていなくてもそれが彼女の天命だったんだ」




彼の呟きが冷たい言葉に聞こえる。





天命だから京は死んだの?





まだ生きたいのに、殺されて命が終わってしまうのが天命なの?





そんなのおかしい。





「全部『天命だから』で片付けるんですか!?人が人の命を終わらせたのに!?まだ京は生きたかったのに……っ!」




体を折ったまま声を荒上げると、寿永隊長のため息が聞こえた。





「……菖もまだ生きたかったはずだ。それなのに、アイツは自ら命を絶った」




そして、悲しげな声が聞こえた。





彼の言葉に、言葉が出なかった。





でも、彼は言葉を続ける。





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