紅の葬送曲
────────────────
────────────
────────
───
「それで、何故お前は現場を漁ってる?」
後ろから寿永隊長の呆れた声がする。
あれから私は彼に言って、殺人現場である警察官舎の京の部屋に来ていた。
現場検証が終わっているから犯人の手掛かりがあるとは思えない。
でも、何かあるような気がしていた。
「京は多分何かを知ってしまって、殺されたはずです。なら、その何かの手掛かりがこの部屋にある気がするんです」
「現場検証は済んでる。でも、そんなものは見つからなかった」
分かってるけど、ある気がする。
私は京が使っていたデスクの引き出しを開けて中を見るけど、何もない。
更に天板の裏を触って、何かくっついていないか手探りで探す。
ふと、手に何か触れた。
「何かある……」
天板の裏のわずかな隙間に何か小さなものが引っ掛かっていた。
取り出してみると、それはマイクロSDカードだった。