紅の葬送曲
味方だと思っていた琉ちゃんが敵。
じゃあ、何?
琉ちゃんは私達だけじゃなくて、紅斗も騙していたの?
何で琉ちゃんは紅斗と……。
「翔鷹に戻るぞ。……真実か確かめる必要がある」
寿永隊長はパソコンからSDカードを抜き取ると、壊れたパソコンを修理費を管理人に渡す。
そして、それをポケットに突っ込むと駆け出した。
私も彼を追いかけて、駆け出す。
「……浅井、お前は親友と幼なじみのどちらを信じる?」
翔鷹までの道のりを走っていると、前を走る寿永隊長が私をちらりと見た。
京と琉ちゃん。
どちらも私にとっては大切な人だ、どちらも信じたい。
でも、京は命を落としてもこのSDカードを残した。
京が何処で琉ちゃんを疑ったのかは分からないけど、私の知らない所で琉ちゃんは怪しい行動をしていたのだろう。
なら、私は──。