紅の葬送曲


理由は簡単。




「──で、何故逃げようとしてる?」





部屋の角に私を追いやり、冷たい目で見下す冷たい目をした彼がいるからだ。





三名家である寿永家の次期当主にして最強と言われる翔鷹のトップに君臨する彼──寿永凌が──。




彼は歴代の隊長の中でも最も優秀で最強とされている。





そんな彼がいれば……と地方への配属を増やしているのだった。





「君は俺の補佐官。これは決定事項なんだ」




うん、最強と言われるだけであって絶対逃げられる気がしない。




威圧感が半端ない。





「に、逃げませんよ!ただ、まだ事態を飲み込めてないと言いますか……」




「飲み込め。そして、さっさと気合いを入れろ」




き、鬼畜……っ!?





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