紅の葬送曲
「貴方は確か……」
「大きくなったね、紅斗君。15年ぶり位かな?」
「貴方は変わりませんね、芦葉さん」
え、紅斗と芦葉さんって知り合いなの?
「あー、そういうことか」
ふと、琉ちゃんの納得したような声が聞こえた。
「アンタが藤邦が最後に作った≪作られた人間≫か。確か、陰陽師の芦屋道満の……」
そこで琉ちゃんの言葉が途切れた。
「人の個人情報をベラベラ話さないでくれる?仮にも警察でしょ、君」
何故なら芦葉さんが指を横に動かし、琉ちゃんの口を見えない何かで縫い付けていたから。
「あ、仮じゃなくて警察か。ごめんね、あまりに君がクズ過ぎて忘れてたよ」
満面の笑みを浮かべ毒を吐きながら……。
もう私の頭は大混乱だ。