紅の葬送曲
「……君達は少し会話が足りないのかもしれないね」
芦葉さんはクスリと笑うと、寿永隊長の方を見た。
すると、彼は小さく息を吐いて立ち上がると小鳥遊君達の方に近付いた。
「お前達、茶でもしに行くぞ」
「え、凌の奢りか?」
「当然だ」
「よっしゃ!俺、ケーキも食うかなー!」
羽取さんはガッツポーズを取ると佐滝さんと芦葉さんの肩を掴むと、執務室を出て行った。
「凌、俺は昼飯食うけど良い?ガッツリ肉系」
「別に構わん。行くぞ」
寿永隊長も小鳥遊君と出ていってしまった。
執務室には私と紅斗が残される。
芦葉さんに会話が足りないと言われてもいざ話せと言われても、何を話したら良いか分からない。
というより、紅斗と二人で話すのは初めてかもしれない。