紅の葬送曲
「……っ!?」
すると、顔面に何か投げつけられた。
突然だから投げられたモノをキャッチすることが出来ず、それらは床に落ちた。
固いものじゃないから痛くはなかった。
床に落ちたそれに視線を落とすと、それは寿永隊長や小鳥遊君を身に纏う翔鷹の制服だった。
警察の藍色の制服とは違う漆黒の制服には桜と今にも飛び立とうとする雄々しい鷹のエンブレムがある。
「菖に用意させた君の制服だ。着替えてこい、君はもう翔鷹の隊員だ」
袖を通したばかりの憧れだった藍色の制服。
それなのに、私はそれを脱いで漆黒の制服へと着替えようとしている。