紅の葬送曲


寿永隊長が死んだ──。





その事実を私は受け入れられるのだろうか?





いや、受け入れないといけないんだ。





もう彼は私の前にいないのだから……。





「寿永隊長……ああぁぁぁあああぁぁぁぁッッッッ!」





慟哭が口を引き裂き、頬を涙が濡らした。





今までに無いくらい胸が苦しい。





自分の隠された過去や出生の秘密を知ったときよりも辛く、苦しい。






頭から離れない。





『お前は生きろ』





と強い言葉と笑みを浮かべていた彼の姿が。




私に生きろというのなら何で貴方は私の隣にいないんですか?





私は貴方が隣にいたから生きて来られたのに……。






貴方がいないのにどう生きろと言うんですか?




お願いですから戻ってきてください……。






寿永隊長──。





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