紅の葬送曲


「こんなに小さな体で必死に生きようとしている」




和泉は同じく手を差し入れた私の指を双子の片割れの手の平へ持っていく。





──キュッ。





小さな手が私の指を握った。





小さく弱い力のに、暖かく何処か強さを感じられる。






「暖かい……」





「暖かいでしょう……?小さくても生きてるんです。……この双子も天河が命を落としても守ろうとした命なんですよ」





天河が守ろうとした命……。





天河は自分よりも他人の幸せや命を守ろうとして命を落とした。





それはこれから生まれてくる命も含まれていたのだろう。





「和泉……」




頬に涙が伝う感覚がした。





「小さくても暖かいよ……、この子達……」





和泉は小さく笑って頷くと、何も言わずに私の傍にいてくれた。





涙で滲む私の視界には空いた方の手を握り合っている双子がいる。



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