紅の葬送曲


凌君の父親で私の幼なじみにあたる周はこの双子を凶刃から守って死んだ。





まあ、切碕の呪いで余命わずかだったみたいだけど……。





生前、周は双子を可愛がっていた。





元々周は面倒見が良いタイプだったから周りからは慕われていたし、妻や子供達を大事にする奴だった。




そんな周だから当時の双子の境遇を憐れみ、可愛がったんだと思う。





現に双子達も周を父親のように慕っていたと聞く。





双子達のことを理解し愛していた周が紅緒ちゃんの今の状況を見たらどう思うだろうか?





悲しむに違いない。





「まあ、周がしたことを否定したいなら良いんだけど。才暉、この子を──」





「……嫌です」





ふと、紅緒ちゃんの声が聞こえる。






「嫌です?今度は死にたくないの?甘えるのもいい加減にしなよ」







勝手なことを言う紅緒ちゃんに腹が立ってきた私は彼女に近付くと、両肩を強く掴んだ。





でも、その手は彼女によって振り払われる。







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