紅の葬送曲


すると、そんな紅緒ちゃんの隣に紅斗君が来て、彼女の手を握った。





「紅緒は弱いままで良いよ。僕が強いからね」





自信満々に言う紅斗君の姿がおかしくて、つい頬が緩んだ。





「……良かったな、強い子達に育って」






ふと、私の隣に移動してきた才暉が二人を見て、珍しく穏やかに笑っている。





「本当にそう思うよ」





周……、周が信じた双子達は昔も今もこれからもお互いを大切に思って、守っていくみたいだよ。




天河……、君が死んでも守りたかった命の二つは此処でちゃんと生きてるよ。





私はまた頬が緩むのを感じながら似ていない双子達を見ていた。




「強いとか自分で言う?」





自信満々な紅斗君の言い方が馬鹿にしたような言い方に聞こえたのか、紅緒ちゃんは不満そうな顔をしている。





でも、その手はしっかりと握られたままだ。





生まれたばかりの頃に保育器の中で握っていたように……。







≪アリスside end≫
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