紅の葬送曲



その日の午後。




「やっほー、紅緒ちゃん!遊びに来たよー」




仕事に復帰し、執務室で雑務をこなす私の元に詩依さんと志摩さんが尋ねてきた。




寿永隊長がいないことを良いことに、志摩さんは勢い良くノックもなしにドアを開ける。




そんな彼女の姿に、羽取さんが呆れたようにため息を吐いた。





「志摩、お前はだんだんアリスに似てきたな。少しは和泉に似ろよ」




「やだなー、才暉さん。足の形はパパにそっくりだよ」





「俺が言ってるのは性格のことだ。この天の邪鬼め」





羽取さんと志摩さんがそんなやり取りをしているよそで、紅斗が詩依さんに挨拶をしていた。





「初めまして、紅緒の双子の兄の紅斗です」




「こちらこそ、初めまして。蓬條詩依と言います」




お互いに頭を下げる二人は妙に和んでいる。





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