紅の葬送曲


「……ちなみに言うが、この施設を作ったのは国民の税金でじゃないから」





切れ長の目に睨まれて、びくりと肩を揺らす。





心の声が読まれてる……!?




「じゃ、じゃあ、どうやって……」




「翔鷹は基本的に国民の税金ではなく、個人的な寄付金で運営している。その寄付金は君のよく知っている人物達からだ」




こんな施設を運営できる程の寄付金を寄越すということは相当なお金持ちしか出来ない。





それだけのお金持ちなんて──あ、いたな。






「つまり、翔鷹は三名家の寄付金で運営しているんですね」




「ご名答」




その三名家の跡取りである目の前の彼はパチパチと拍手する。





< 46 / 541 >

この作品をシェア

pagetop