紅の葬送曲
このボンボンが……。
ふと、彼は右手首に着けた腕時計をチラリと見た。
「そろそろ菖が戻る頃かな」
菖?
そういえば、この制服を用意してくれたのも菖という人だ。
戻ってくるならお礼を言わないと……。
すると、ドアがノックされた。
「来たか、入れ」
寿永隊長が入室を許可すると一人の女の人が入ってきた。
あ、この人、私を小鳥遊君と一緒に此処には連れてきた人だ。
菖って名前だからてっきり男の人だと思ってた。