紅の葬送曲
上げた先には小鳥遊さんが仁王立ちで立っていて、不機嫌そうだった。
そして、寿永隊長を一睨みして部屋を出ていった。
え、状況が全然把握できないんだけど……。
すると、いたのも知らないくらい気配が無かった小鳥遊君の笑い声がした。
「あっははは!もう傑作すぎる……っ」
「……江、菖を連れ戻してこい」
「えー、姉さんが俺の言うこと聞くとは思えないんだけど」
「俺が話がある、と言えば戻る。それで戻らなければ付き人を辞めさせる」
「じゃあ、そっくりそのまま伝えれば良いや」
小鳥遊君はひょっこりとソファーから体を起こすと、小鳥遊さんを追って部屋を出ていった。
「辞めさせるなんて酷すぎませんか……?」
「人の心配をする余裕がお前にあるのか?」
寿永隊長はキッと私を睨むと、面倒そうに執務用のデスクに座った。
何かお前呼びになってるし……。