紅の葬送曲
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「し、死ぬかと思った……」
私はヘロヘロと車から降りると、既に到着していた小鳥遊君達が駆け寄ってきた。
「思ったより早かったね。って、浅井ちゃん、どうしたの?」
「あ、芦葉さんの運転で殺されるかと思った……」
紅斗達を助ける前に、私は味方に殺されるかと思った。
それはもう、芦葉さんの運転は某テーマパークのアトラクション並に恐ろしかった。
「あー、芦葉さんの運転は最悪だよね。俺も初めて乗ったとき失神しかけたし」
小鳥遊君は苦笑いを浮かべながら、私に持ってきた拳銃を手渡してくる。
受け取ると、それはやっぱり重かった。
拳銃は命を守るものでもあるけど、奪うものでもある。
拳銃の重さは命の重さと同じように思えた。
「浅井ちゃんは実戦がほぼ初めてだね。此処2ヶ月平和だったしね」
デモの監視や鎮圧行動は何度かしたけど、命のやり取りをする実戦は初めてだ。
訓練では何とかなってたけどこれは訓練ではなく、実戦。
一つの間違いが大きな間違いとなる。