紅の葬送曲
「何故、そう思う?」
何故と言われても、いきなり頭を浮かんだ光景に貴方が出てきたからとは言えない。
「か、勘です」
苦し紛れに出た言葉に、寿永隊長は何処か安心したような顔をする。
「呆れて物が言えん。もういい、お前は今日は非番だ。自室の片付けをしろ」
「え!?」
「安心しろ、官舎での荷物は既にお前の部屋に運んである」
「いつの間に!?」
物事の進む早さに驚いていると、彼は傍にいる小鳥遊さんを一瞥する。
「菖、部屋に案内してやれ。あと、部屋まで連れて行くついでこの中も説明しとけ」
「分かりました。行きましょう、浅井さん」
私は小鳥遊さんに促されて、寿永隊長と小鳥遊君がいる部屋を出ようとした。