紅の葬送曲
『紅緒、早くおいでよ』
ふと、幼かった男の子の声が青年の声へと変わり、手が差し出される。
そして、私自身も今の姿になる。
目の前の彼はやっぱり私に似ている。
でも、目の色は幼い男の子の頃とは違っていた。
今の彼の目は焔のように赤い色をしている。
なのに、その目は氷のように冷たい。
私はその目に不思議と恐怖を感じず、差し出されるその手を握ろうとした。
『行くな!』
急に後ろから手を引かれた。
今の声は──。