紅の葬送曲
リリリリリ──。
聞き慣れない目覚まし時計の音にハッと目を覚ました。
視界には見慣れない白い天井、頭と体にはぴったりフィットするふわふわの感触。
ベッドから体を起こすと、肩まで伸びて邪魔になってきた髪を掻き上げる。
「夢……か……」
あまりにもリアルな夢だった。
あの男の子の姿も何処かで見た感じがするし、最後に私を呼んだ声。
あの声は間違いなく──。
「おい。目が覚めたならさっさと起きろ、馬鹿」
ふと、隣から聞こえた声に、私は疑問符を浮かべる。
え、今の声は?
隣に視線を移した途端、私は絶叫することになる。