紅の葬送曲


「痛っ!」




「寝惚けるのも大概にしろ。此処は俺の部屋だ」





「へ?」




彼の言葉を聞いて周りを見渡す。





私の部屋はブラウン系の色で家具や寝具を纏めている。





でも、この部屋はモノトーンでそれらを纏められている。




「何で、私は此処で寝ていたのでしょうか?」





恐る恐る寿永隊長を見ると、彼の頬にはハッキリとした青筋が浮かんでいる。





「……お前、昨日の記憶がないのか?」





「え?」




昨日の記憶?




「覚えてないなら思い出させてやる」




頭を傾げる私をよそに、寿永隊長は顔をひきつらせながら昨日のことを話し始めた。






< 66 / 541 >

この作品をシェア

pagetop