紅の葬送曲
「痛っ!」
「寝惚けるのも大概にしろ。此処は俺の部屋だ」
「へ?」
彼の言葉を聞いて周りを見渡す。
私の部屋はブラウン系の色で家具や寝具を纏めている。
でも、この部屋はモノトーンでそれらを纏められている。
「何で、私は此処で寝ていたのでしょうか?」
恐る恐る寿永隊長を見ると、彼の頬にはハッキリとした青筋が浮かんでいる。
「……お前、昨日の記憶がないのか?」
「え?」
昨日の記憶?
「覚えてないなら思い出させてやる」
頭を傾げる私をよそに、寿永隊長は顔をひきつらせながら昨日のことを話し始めた。