紅の葬送曲
類似した事件?
一体どういう意味だろうか?
頭を傾げていると、現場に着いたのか小鳥遊君が運転していた車が停車した。
車を降りて黄色い規制線のテープが貼られた所に立つ警官に敬礼すると、現場に入った。
現場は住宅街の路地裏。
まだ昼だというのに、薄暗くて不気味だ。
寿永隊長と小鳥遊姉弟について歩いていくと、ふと鉄臭い不快な臭いが鼻をつく。
この臭いって……。
現場に近付くにつれて、強くなるその臭い。
その臭いに体の中の何かがざわついている。
まるで、その現場に近付いてはいけないと言っているようだった。
何、この感じ……。
体の中の何かがざわついているせいか、足が重い。