また君に恋をする
それから私はチョコケーキ、奏多くんはコーヒーを頼んだ。
「本当にコーヒーだけでいいの?」
「うん。」
コーヒーしか頼まなかった奏多くん。
もしかして、甘いもの苦手とか?
それなら別の場所でもよかったのにな…。
「失礼します。アイスコーヒーでございます。」
そしてすぐに来たコーヒー。
可愛らしいグラスに入ったコーヒーはブラック。
それを見て、やっぱり奏多くんは甘いものが苦手なんだと思った。
「そんな落ち込まないで。」
「え?」
「って、コーヒーも言ってるよ。」
そう言って優しく笑う彼は、私の扱い方を把握しているみたいで。
だけど私も単純で、彼のその一言だけで気分が元どおりになってしまう。
「ありがとう。」
奏多くんに聞こえるか聞こえないかくらいの声で、私はそう言ってみた。
だけど彼をチラッと見ると小さく笑っていたから。
多分、聞こえていたんだろうな。