また君に恋をする


「桃ちゃん大丈夫?」


「え?」


「ぼーっとしてるけど。疲れちゃった?」


「ううん、平気。」




委員長に言われて我に返り、ズキンと痛む頭を抑える。


あと少しで交代だから頑張れ、私。




「はい、これ。7番テーブルのコーヒーです。桃ちゃんこれ行ったら交代ね。」


「うん!いってきます。」




慣れない手つきでコーヒーを運ぶ私は、奏多くんたちがいるテーブルまで歩く。




「お待たせしました。コーヒーです。」


「ありがとう。」


「奏多くん、」


「ん?」


「もう帰る?」


「桃が交代まで待ってるよ。一緒に回ろう。」




やった。


神様は私の味方みたいだ。



ありがとう。


高校1番の思い出になっちゃうかも。




「うん!着替えてくるね。」


「待ってる。」




席を立って、早足で奥の試着室へ向かう。


掛けてあった制服に着替えたけど、メイクや髪型は可愛いからこのままにしておこう。

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