また君に恋をする
自分の手を傷つけてほしくない。
強いのはもうわかってるから。
誰もが認めているから。
「桃さん、これは理由があって…、「春翔。」」
奏多くんが春翔に振り向いた、一瞬の隙に私は彼が右手に持っていた写真を奪った。
「何これ…、」
写っていたのは、私の写真。
真上から胸元をアップされて撮られている写真や、下から撮られている写真。
芽衣とのツーショットや、接客している時の写真もあった。
私だけじゃない。
芽衣も、他の学年の子達も。
「大丈夫。半殺しにしといたから。」
「え…?」
どこか感じたことのある悔しさと辛さ。
ギュッと写真を握る私の頭を、くしゃくしゃっと撫でた奏多くん。
私のための喧嘩…。
理由も聞かずに怒ってしまった。
何してんだろ、私…。
「ごめん…。」
「気にすんなよ。」