また君に恋をする


最近、毎日が楽しい。


きっと奏多くんといる時間が多いからだろうけど。


早く放課後なんないかなあ。



授業中はいつも奏多君のことを考えたり、好きについて考えたり。


人を好きになって気づいたことは、好きは厄介だということ。


こんなこと考えてるなんて私きっと重症だ。



そんなことを考えていれば、長かった授業はすぐに終わって突入した休み時間。


クラスに特別仲のいい友達のいない私は、いつものように席に座っていた。




「桃ちゃん、呼んでるよ?」




教えてくれたクラスの女子は、前方のドアを指差している。


そこに立っているのは、青のリボンをつけた先輩たち。


ニコリと笑う先輩はとても美人で、だけどそれは偽りの笑顔にも見えた。

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