また君に恋をする


「お疲れ様です。」




幹部室。


ここは、喜連の特別な人しか入れない場所。


私は特別じゃないから、度々こうして顔を出す程度。




「おい、桃。これやったか?」


「何それ?」


「新作だよ!勝負しようぜ!」




部屋に入るなり、コントローラーを持って話しかけてきたのは龍也。


新作とはゲームのこと。




「え!やりたい!」


「俺つえーぞ!」




そしてゲームは始まったものの…、




「っしゃ!」


「また負けたー…。」


「まだまだだな。ひよっこめ。」




いつもは私が勝っているのに、新作ゲームで龍也に1勝もできない始末。




「芽衣ー!」


「おい!それずりーぞ!」




コントローラーを龍也に投げて、芽衣の座るソファにちょこんと座ると、ムキになってヤキモチを妬く龍也。


芽衣はそれを無視しているけど、このふたりが羨ましい。

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