また君に恋をする


「今日は早いねえ。」


「早くに目覚めちゃった。」




お弁当を作り終わったくらいに、おばあちゃんが起きてきた。




「桃と、誰のだい?」


「奏多くん!ほら、いつも話してる。」


「そうかい。」




おばあちゃんは、一瞬びっくりしたような顔をしたけど次第にそれは笑顔に変わった。


お弁当を作り終わった後は、化粧をして髪の毛を整えた。



もうブレザーを着るようになった制服に袖を通して、いつもより少し早めに家を出る。


そして、家まで迎えに来てくれる奏多くんを待つ。



3分くらい待っていると、聞こえてきたバイクの音。


その音は私の家の前で止んで、代わりに優しい声が聞こえた。




「はよ。」


「おはよ!」




慣れたように後ろに飛び乗って、いつもより少しだけ早く学校へ向かった。

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