また君に恋をする
「ありがとう!」
「気をつけて。」
「奏多くんもね。」
いつもの公園で降ろしてもらって、いつものように決まって挨拶をする。
再び彼がバイクのキーをひねった時、私は手に持っていた物を思い出した。
「あ、奏多くんこれ!」
「なに?」
「いつものお礼。学校頑張ってね。」
紙袋の中をチラッと確認すると、彼はニコっと笑った。
その顔を向けられて、私の胸はドキっと高鳴る。
最近気づいたことがある。
私は、奏多くんの笑顔に弱い。
「さんきゅ。」
そんなことを知らない彼は、また笑ってバイクを西校の方へ走らせて行った。
…ああ、好きって厄介だなあ。
ものすごく。
そう思いながら私は学校へ向かった。