また君に恋をする
私の首につけてあるネックレスを見て、奏多くんはどこか寂しそうに笑った。
彼はこんな表情を、時々見せる。
私が楽しさに変えてあげたい、なんて思う。
だけど、そんな権限はない。
彼とは友達。
さっきの話のだと好き人もいる。
邪魔したくない。
関係が壊れて離れられるくらいなら、友達で十分だ。
「髪はもう染めないの?」
「んー…、染めようとして数ヶ月経ってる感じ。」
風になびく私の髪を見て奏多くんは言った。
「染めなよ。茶色の方が可愛い。」
「ほんと?」
「うん。」
茶色の方が可愛いだって。
染めちゃおうかな…。
「何ニヤけてんの。」
「ニヤけてないし!」