また君に恋をする
「ただいまー。」
「おかえり。」
リビングに入ると、お茶を飲んでいるおばあちゃんがいた。
「お風呂入ってしまいなさい。」
「はーい。」
スクールバックをソファに投げようとした時、おばあちゃんにそう言われたからやめた。
だらだらと階段を登って自分の部屋へ向かう。
「はあ…。」
制服を着替えている間も、化粧を落としている時も。
お風呂に入っている時も、髪を乾かしている時もベットに入ってからも。
頭に浮かぶのは、海で見た奏多くんの表情。
「好きって厄介だな…。」
窓から見える空を見て、私の独り言は消えていった。
あと、学校だって注意しなきゃいけないな…。
前までの楽しさ、帰ってこないかな。
「…寝よ。」
その日、私は言葉通り何も考えずに寝た。
次の日のことなんて何も考えずに。