また君に恋をする
…芽衣。
この間、私を庇ってビショビショになった芽衣。
「待ってるね?」
私の頭に浮かぶのは、可愛らしく笑う芽衣の笑顔と、私を心配する辛そうな顔。
私が彼女にするのはどっち?
黙って彼女の笑顔を守る?
頼ってまた彼女を困らせるの?
きっと正解は前者だと思う。
誰もいなくなった体育館裏にひとり残された私は、何もやる気になれなかった。
寝転んだまま、授業時間を過ごす。
…またサボっちゃった。
先生と約束したのにな。
そしていつの間にか、6限目の終わりを告げるチャイムが鳴り響いた。
遠くから下校する生徒の声も聞こえてくる。
…帰らなきゃ。
重たい体を起こして、ブレザーやスカートについた砂をはらう。
「なんて言い訳しよう…。」
体育館横のトイレで自分の姿を確認すると、どう見ても酷い姿。