また君に恋をする
忘れていた時もずっとつけていたもの。
これは奏多からプレゼントしてもらったものだ。
「おばあちゃん、行ってくるね。」
「気をつけるのよ。」
昨日の夜、おばあちゃんにも全て話した。
私が話し終わると、おばあちゃんはたくさん涙を流していた。
「よかったね」って、ずっと私の幸せを待っていてくれた。
見慣れた道を、久しぶりに歩く。
奏多の家までの道は、何度歩いたかわからない。
なのに、久しぶりに歩くこの路地に何故か懐かしさを感じる。
「…ついた。」
そして10分くらい歩いてついた一軒家。
表札にはローマ字で書かれた瀬崎の文字。
「桃?」
少しだけ震える手で、インターホンを押そうとすると、後ろで誰かが私を呼んだ。
「香月(カヅキ)さん…、」
「久しぶりね。」
私を呼んだのは、奏多のお姉さんの香月さんだった。
久しぶりに見る香月さんは、相変わらず奏多に似ていて金色の髪がよく似合っている。