また君に恋をする


あげたのは、高校生がはじまってすぐくらいの頃。


何となくパラパラっと中をめくると、中にはたくさんの文字が並んでいた。


勉強嫌いの奏多が、こんなに文字書くわけない。


字が続くままに、ノートをめくる手も続いていると、ヒラっと1枚の写真が落ちた。


ノートをそこで開けたまま、写真を拾うとそこに写っていたのは入学式の時の私と奏多。



お互い違う制服を着ていて、楽しそうに笑っている私たち。




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9月15日


桃にやっと登校許可が出た。

これはあいつの生徒手帳に挟まってた写真。

俺が抜いてきた。


こんなの見なくても、あいつは必ず俺を思い出してくれるよな。

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なにこれ…。


たしかにこれは、私がずっと生徒手帳に挟んでいたもの。



「頭に負担がかかるから言わなかった。」


昨日、おばあちゃんに言われた言葉。




「奏多…。」

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