また君に恋をする
* 多分、一生好き *
【 奏多side 】
「奏多さんのことで辛い経験とかなかったんすか?」
「あったあった。たくさんあったよ。」
幹部室を出ると、たまたま聞こえてきた会話。
それは桃とリョウの声であって、俺との昔話をしていた。
「でもさ、その度に助けてくれんの。」
あー、そんなこともあったな。
あの時じゃ想像もできなかったよ。
こんなに1人の女に振り回されて、喜怒哀楽が激しくなったりするなんて。
情けねーかもしれないけど、俺は桃を守るためだったら何だってできる。
生きる意味のなかった俺が、今お前のために生きてんだよ。
それって奇跡だと思うし、俺にとっては大きい出来事だったと思う。