また君に恋をする
*・*・*・*
中学の時、桃に出会った。
その出会い方は良くはなく、むしろ最悪だった。
中学に入学した時から、学年や学校で可愛いと騒がれていた桃。
それを鼻にかけないあいつを、憎む奴はいなかった。
「おい奏多、綾瀬と立花って見てて癒されねえ?」
「きょーみねー。」
俺が小学生の時に親は離婚。
親父は離婚と同時に家を出て行き、その後すぐに俺と姉貴を捨てて母親も出て行った。
まあ親だなんて思ったことは、一度もないけど。
時々、家に帰ってきたと思ったら姉貴が稼いだ金をせびりにくるだけ。
挨拶の一言も、子供の心配もなし。
そんな親にうんざりしていた俺の性格は、次第に何事にも冷めていった。
この世で信用できるのは姉貴と、隣にいるダチの龍也。