また君に恋をする
* 夏祭りと地獄 *
「じゃあね!芽衣!」
「またねっ。」
昨日行った浴衣屋さんで、綺麗に着付けをしてもらった。
それぞれ待ち合わせ場所が違う私たちは、ショッピングモールを出てすぐに別れた。
夕方の5時。
まだ日は沈んでない明るい外を、ゆっくりと歩く。
慣れない下駄を上手に歩かせる私は、奏多と待ち合わせの商店街を目指した。
迎えに来てくれるって言ってくれたけど、ちゃんと高校生らしくしてみたかった。
待ち合わせとか、歩いて行くとか、彼女が遅れて行くとか。
敵対している族を警戒して、私をひとりにしたくない奏多が今日は渋々OKしてくれた。
これも全部、芽衣と龍也、春翔のおかげ。
早く会いたいなあ。
早く浴衣見せたい。
早く奏多の浴衣も見たい。
そう思うとだんだん軽くなる足取り。
本当、すごいと思う。
彼を中心に何でもできる私が。