また君に恋をする
少し歩いて商店街が見えて来た頃、その入り口に大好きな彼がいた。
遠くからでもすぐに見つけられるキャラメル色の髪。
通りすがる女の子はみんな彼をみている。
それに見向きもしない彼を褒めてあげたい。
「かっこいー…。」
浴衣を着ている奏多はすごくかっこよくて、いつもの3倍増しだった。
彼を象徴とするキャラメル色の髪も。
優しい雰囲気も。
何もかもかっこよかった。
「かーなたっ!」
「おう。」
私の家の方向を見て待っていた奏多に、後ろから声をかける。
「ね!どう?可愛い?」
肘を曲げて浴衣を見せる私に、奏多は何にも言わない。
私の目を見たまま、何にも言わなかった。
「ねーえー、変?やっぱり大人っぽすぎた?」
「…い。」
「え?」
「可愛いよ。」
「ほんと?」
「うん。可愛くないわけないじゃん。」