また君に恋をする
寝ぼけている芽衣は、珍しくすっぴんだった。
すっぴんでも相変わらず、十分すぎるほど可愛い。
「桃?」
「ん?」
「え…?!桃?!」
目をこすりながら飛び起きた芽衣。
驚いたかと思うと、次は目にたくさんの涙をためて口を抑えている。
「桃…、よかった…。」
大粒の涙を流しながら私に抱きつくと、それからは大号泣。
何度も「ありがとう」と言うと、最後には「離れたくない」なんて言ってた。
「私、先生とおばあちゃん呼んでくるね。」
「ごめんね、ありがとう。」
「いいの!あと奏多たちも呼んでくる!」
「え?」
「会いたいでしょ?さっきまでいたんだけど、本当さっき帰っちゃって。」
芽衣、疲れておかしくなっちゃったのかな。
それとも私がおかしいの?
「…誰?」
「え?」
「奏多って、誰?」