また君に恋をする
いつも、私がみんなにこんな顔をさせる。
みんなのことを私が傷つけているんだ。
部屋に入って来たお医者さん達に、退院や検査の話を聞いて軽く1時間は経った。
外は薄暗くなり、また部屋に1人になる。
学校、みんなより遅れちゃうな。
もうすぐ文化祭なのに。
おばあちゃん、家のこと1人で出来てるかな。
寂しくないかな。
芽衣や龍也は元気かな。
あと…。
あれ、あと…。
なんだっけ。
何か思ったのに…。
忘れちゃった。
あれ…、
なんだっけ。
目が覚めてからたまに、こういうことがある。
頭では思っていたことや言おうとしたことは覚えているのに、それを言葉にできない。
シルエットや顔が思い出せなくなる。