また君に恋をする


上靴に履き替えていると、横からニヤニヤしながら芽衣が話しかけてくる。


楽しそうに意地悪を言う芽衣だけど、その笑顔に少しだけ辛さがあるように見えた。




「ねえ、桃…。」


「んー?」


「…もし、さ。」


「うん?」




教室までの廊下を、肩を並べてゆっくりと歩く。


長い階段を登っている時、芽衣は足を止めて私を見た。




「今日告白して来た人が、超イケメンで優しくて頭も良くて、スポーツもできて、」


「うん?」


「それから…、」


「…それから?」


「…桃のタイプの人だったら、」


「…うん?」


「どうする…?」


「え?」


「付き合っちゃう…?」




何で?


どうして芽衣はそんな顔するの?


どうして、目に涙を溜めてるの?

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