LAST WISHI



「春樹。この学校ね、クリスマスシーズンになるとツリー飾るらしいよ?」


「ふーん。女ってそういうの好きな。」


こいつは幼なじみの咲(サキ)。


16年間ずっと一緒に居すぎて、それが当たり前になっている咲は、俺の思いとか全く気付かない鈍感そのものだ。


「なんかね、そのツリーの天辺って変わってるらしいよ。それとー」


何か言いかけて、


「あ、これはクリスマスになったらね♪」


秘密だと人差し指を口にあてた。


「一緒に見るの決定なのな。」


「なによー。嫌なの?」


頬を膨らませる姿は何度も見ているのに、どうして飽きないんだろう。


俺って重症かも…


「どうせ暇でしょ?クリスマス、今年も空けといてね。」


「お前のせいで誰も寄りつかねーからな。」


「それはどうも。」


違う。


俺が咲の周りに変な虫がつかないようにしてるんだ。


気づけバカ。


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