LAST WISHI
「春樹くん。クリスマス、良かったら私とー」
「ごめん。先約いるんだ。」
「やっぱりあの噂、本当なんだ。」
「いや、咲はまだ彼女じゃないよ。」
「まだってことは、やっぱり…」
「だからごめん。」
彼女の推察は概ね正しい。
ただ、俺はまだ伝える気はなくて
いや、怖くて言えなくて…
咲を遠ざけた時期もあったけれど、無駄だった。
鈍感なあいつは遠ざけることも忘れることもさせてくれない。
惚れた弱みってやつだ。
つまりのところ、俺は咲に甘い。