昨日の夢の続きを話そう
前田さんや周囲の作業員さんたちの元気な笑い声や、からかったりする特有の冷やかし声が、ワンテンポ遅れてぼやけて聴こえる。
私はいびつな笑顔を貼り付けたまま、スローモーションのように移ろうみんなの笑顔を眺めてた。
呼吸が途切れ途切れになって、胸が押しつぶされたように感じる。
でも苦しいって自覚すると、勝手に涙がこみ上げてくるので、一生懸命耐えた。
前田さんと昨日の作業の続きをやって、お昼が近くなった頃。
仕事用の携帯で通話を終えた前田さんが、済まなそうな表情を私に向けた。
「これから事務所から職員が来てることになって、遺跡の説明をすることになったの。だから香澄ちゃんと一緒にランチ行けなくなっちゃったわ」
「あ、そうですか……」
「香澄ちゃん、今日も花時計カフェ行くつもりでお弁当持ってこなかったよね? ごめんね」
今日……?
あ。そう言えば昨日、そんな約束をしたっけ。
クーポン券のことなどすっかり忘れていた。
「いえいえ! 気にしないでください」
「ひとりで行ってくる? せっかくだからこれ、使ってね」
作業服のポケットからクーポン券の綴りを取り出した前田さんは、ボケッと立ちすくむ私の手に持たせた。
「で、でも……」
「イケメンのご厚意を無駄にするのも勿体ないじゃん」
と、言われても……。
私はいびつな笑顔を貼り付けたまま、スローモーションのように移ろうみんなの笑顔を眺めてた。
呼吸が途切れ途切れになって、胸が押しつぶされたように感じる。
でも苦しいって自覚すると、勝手に涙がこみ上げてくるので、一生懸命耐えた。
前田さんと昨日の作業の続きをやって、お昼が近くなった頃。
仕事用の携帯で通話を終えた前田さんが、済まなそうな表情を私に向けた。
「これから事務所から職員が来てることになって、遺跡の説明をすることになったの。だから香澄ちゃんと一緒にランチ行けなくなっちゃったわ」
「あ、そうですか……」
「香澄ちゃん、今日も花時計カフェ行くつもりでお弁当持ってこなかったよね? ごめんね」
今日……?
あ。そう言えば昨日、そんな約束をしたっけ。
クーポン券のことなどすっかり忘れていた。
「いえいえ! 気にしないでください」
「ひとりで行ってくる? せっかくだからこれ、使ってね」
作業服のポケットからクーポン券の綴りを取り出した前田さんは、ボケッと立ちすくむ私の手に持たせた。
「で、でも……」
「イケメンのご厚意を無駄にするのも勿体ないじゃん」
と、言われても……。